うっすら気持ち悪い内容

彼女との出会いは突然だった。
二ヶ月ほど前、いつものように「しょぼくれフェイス」で住宅地を徘徊していた僕。
「…はあ…どこかに『僕が大金持ちになっているパラレルワールド』につながるゲートが開いていないかな～」と、「しょぼくれフェイス」のまま軽く現実ランナウェイをしていたその時、角を曲がった所でばったり出会ってしまったのです。
その瞬間、僕の頭の中でガンダムのサブタイトル画面の曲がかかり、鈴置さんの声で「宿命の出会い」って聞こえて来た！

彼女　「…あなた、どうしてそんなにしょぼくれた顔をして歩いてるの？」
僕　「ほ、放って置いてください！」
彼女　「そんな事言わないで。私でよかったら力になるから」
僕　「そ、そんな…初対面の人に…」
彼女　「うふふ。そんな事気にしないで！私、こう見えて人を癒すの得意なの」
　
と言って、僕の足に体をグイグイ擦り付けてくる彼女…
　
…え？はい、「彼女」って猫ですけど何か？「人間の女性と思った」だなんてそんな！もし人間の女性だったら、僕がしょぼくれて歩いている所なんて見た瞬間「キャー！」って言われちゃいますよ！「キャー！」は勿論否定的な響きで！
　
しかしま～、この子が人一倍（猫一倍？）人懐っこくて目茶苦茶可愛い！今日もこの子の縄張り付近に行ってみたら、狭い道のど真ん中に座って人間が通りかかるのを待っていた！
僕が来るのが見えた時からジーッとこっちを見つめて、その子の目の前に来た瞬間「ニャー！」って鳴きながら僕の足に纏わりついて来た!!!!!!!
お腹の辺りをさすったら気持ちよさそうに「ニャーン！」って鳴きやがってぇぇぇぇ！…はぁはぁ！た、たまらんだろうが！
ひとしきり遊んで帰ろうとしたら「まだダメ！」って感じに鳴いて追いかけて来て、立ち止まった僕の足を枕代わりにするように頭をちょこんと乗せて来た！たまらん！もうたまらん!! …それからまたしばらく遊んでしまった！
　
この子は地域の人から相当愛されているみたいで、前にはタクシーから降りるお婆ちゃんを、ドアの横でお出迎えしている姿を見た事もある！
あの子の性格は勿論だけど、理解がある人達が多く住む地域が素晴しいと思った。
…ちょっと耳がかぶれていたのが気になったけど。
　
向田邦子さんも大の猫好きで、エッセイの中に「メス猫がオス猫を選ぶ基準」を書いているんだけど、「強くておしっこ臭い好色なオス」がモテるんだとか。
…僕、メス猫にやたらと懐かれるんだけど…
「強い」ってのは猫から見たら僕は相当でかいから強くも見えるだろう（実際はワンダと巨像の一体目の巨像ばりの見掛け倒しだけど）。
「好色」なのも…否定はしない。
ただ、「おしっこ臭い」!? おしっこ臭くはないと思うんだけどなーーー！…あ！「子供っぽい」って意味での慣用句でなら十分「おしっこ臭い」や！
　
　
　（２４６匹目）
　問題の猫！足に体当たり中の図！
　
　
　
　
　
　
　
　




これが足を枕にされた瞬間！